BLACK SABBATHの日本の知名度
こんにちは。
2019年に入ったばかりで、メタルと知財に関連したホットなニュースが無いので、私にとって印象的な昨年のメタル×知財ニュースを1つご紹介したいと思います。
昨年の9月に、paranoidやiron manなどの名曲で知られる、ヘビーメタルの元祖(所説あり)とされるBLACK SABBATHのボーカルのオジー・オズボーン(本名:John Michael Osbourne)とギタリストのトニー・アイオミ(本名:Anthony Frank Iommi)の名義で「BLACK SABBATH」が日本で商標登録されました。ベースのギーザ・バトラーやドラムのビル・ワードは名義に含まれていませんでした。
なぜ今頃「BLACK SABBATH」について商標登録を取得しようとしたのかについては分かりませんが、バンドとしてワールドツアーをもう行わないことを宣言したことが、その理由の1つかもしれません。
それは、さておき、日本の商標法では、他人の氏名や名称、著名な芸名などを含む商標については、その他人の承諾を得ていない限り、商標登録ができないことが規定されています(商標法第4条第1項第8号)。
実は、日本の特許庁の審査・審判の段階で、ブラックサバスの他のメンバーの承諾無しで、オジーとトニーの二人だけによって出願された商標「BLACK SABBATH」は、他人の著名な芸名(バンド名)を含むものとして商標法第4条第1項第8号の規定に引っ掛からないかが1つの論点になりました(審判番号:不服-2017-650015)。
しかし、日本の特許庁は「BLACK SABBATH」について、「1970年に英国でデビューしたヘビーメタルバンドのバンド名であり、日本においても当該バンドの音楽CDが販売されている事実をうかがえるとしても、このバンド名が我が国において広く知られていることを認めるに足りる証拠は見出すことはできない。・・・したがって、本願商標は、他人の著名なバンド名を含む商標とはいえず、商標法第4条第1項第8号に該当しない」という結論を示しました。
要するに、「BLACK SABBATH」は、他人の著名なバンド名に当てはまらないから、ギーザやビルの承諾が無くても、商標登録できると特許庁は判断しました。
「BLACK SABBATH」が、無事に商標登録されたことは良かったものの、「BLACK SABBATH」は著名なバンド名ではない、とする特許庁の判断には、かなり衝撃を受けました。
ちなみに、私が一番好きなサバスの曲は、N.I.B.です。カラオケでは、paranoidを歌うのが好きです。