
AIと著作権とメタル
最近、何かとAI(人工知能)がニューズで取り上げられていますが、ついに、メタルの世界にも、AI技術が本格参入してきました。AIによって作られた架空のパワーメタルバンド〝Frostbite Orckings”!彼らのデビュー曲〝Guardians of Time"もAIによって作られていますが、中々のクォリティに仕上がっています。
さて、ここで問題となるのが、AIによって作られた曲には著作権が認められるでしょうか?
今のところ、答えは、「ノー」です。美術や音楽等の著作物は、「自然人(人間)」によって創作されたものに限られるというような規定は著作権法に存在しないものの、現在の著作権法は、自然人(人間)だけが著作物を創作することを前提として規定されています。要は、現在の著作権法は、AI技術の進化に追いついていないのが現状です。
よって、AIによって作られた曲は著作物に該当せず、著作権が発生していないため、理論上、第三者がAIによって作られた曲を無断利用しても著作権侵害にならないことになります。逆もしかりで、AIに作らせた曲によって、ご自身が著作権者と主張することもできないと思います。ただ、その無断利用が、著作権侵害でなくても、他の法律によって訴えられる可能性(例えば、民法709条の一般不法行為)はゼロではないので、取り扱いには気を付けましょう。
ちなみに、今回、ご紹介した〝Frostbite Orckings”の〝Guardians of Time"は、Musical Bitsというドイツの会社のソフトウェアで作られており、〝Frostbite Orckings”は、ジャンル的にはパワーメタルバンドですが、これからも様々なジャンルのメタルバンドと曲が作られるみたいです。というのも、〝Frostbite Orckings”は、メタバースならぬメタルバース(Metalverse)の世界で生まれたバンドであり、HP(https://metalverse.world/)によると、彼らは、9つの地域からなるMetalverseの中のNocturnal North地域の出身です。おそらく、今後は、Metalverseの他の地域からも新たなAIメタルバンドが登場し、それぞれの出身地域によって、デスメタルとかフォークメタルなど他のメタルジャンルの曲が作られるのかと思います。
今後のAIメタルが楽しみであるものの、色々と法律上の課題が残っていて、興味深いテーマです。