令和初のコミケ(オタクとメタラー)
昨日、コミックマーケット(通称、コミケ)@東京ビッグサイトに行ってきました。
メタル以外にも、漫画、アニメ、ゲームも浅く広く嗜み、仕事で著作権関連の案件にも携わっていますので、たまに、コミケに行くようにしています。
コミケは、夏と冬と年に2回行われるのですが、昨日も暑かったです。で、今年の京アニ事件があったせいか、セキュリティがいくらか厳しかったような気がしました。
コミケは、たまに、ニュースで取り上げられ、コスプレを想起する方々も多いかと思いますが、コスプレはコミケのほんの一部にすぎません。
コミケは、本来的に、同人誌を発表する場であり、同人誌を作る人と読む人とが交流を深めるイベントですかね。で、「同人誌」は、元々は、文学の世界でスタートした自主制作の雑誌のようですが、近年では、どちらかというと、主に、漫画やアニメやゲームの二次創作作品ですかね。漫画の二次創作作品として、例えば、ある漫画のサブキャラを主人公にした作品、漫画の登場人物をゲイなどの同性愛者に設定した作品、シリアスな漫画をギャグ風に描いた作品、子供向けアニメを18禁クラスの漫画にアレンジした作品など、あらゆる題材をあらゆる表現のものがあります。
著作権法では、「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を有する」という権利(27条)を定めていますので、原作を作った著作者には自身の作品が勝手にアレンジされない権利が認められています。よって、一応、二次創作作品を提供している彼らは、いつ訴えられてもおかしくないのです。
では、コミケで同人誌を作っている方々は、なぜ著作権違反で訴えられず、黙認されているのでしょうか。
要因は、いくつかあるかと思いますが、大きな要因としては、同人誌は大量生産されておらず、低価格で提供されているので、原作に対する経済的な影響が少ないことだと思います(漫画ですと、1冊は大体100円〜500円くらいであり、ほんの数冊しか用意されていません)。もう一つの要因としては、同人誌の作者は、原作に対する熱い愛に溢れていますので、その熱い愛に押されて、原作者も訴える気まで起きないのではないでしょうか。
コスプレの参加者を例に挙げますと、皆様、本当に手の込んだ衣装を着ており、アニメ・漫画が本当に好きだからこそ、細かいディテールまでしっかり作られており、小物やウィッグにも、何らかの工夫が施されていて、安易にそこらへんの量販店で売っているキャラクターの衣装をそのまま着ている人は、いません。儲けるためとかモテるためにという不純な動機ではなく、皆様のアニメ・漫画への愛はホンモノです。
私は、コミケにもメタルのフェスにも参加していますが、コミケは、メタルのフェスに少し似ている気がします。多くのメタラーもアニメ等のオタクやコスプレイヤーも日常生活(学校、仕事)では、趣味がマイナー・マニアックであるが故に、自分の趣味に対する愛を隠しているか、或は、全面的に出せない環境にいる方が多いかと思います。しかし、メタルのフェスで全国の何万のメタラーが一つの会場に集結するのと同じように、コミケも、全国の何万のオタクやコスプレーヤーが一つの会場に集結することで、自分と同じような仲間がたくさんいることを認識し、日常生活で押し殺している趣味に対する熱い思いを存分に発揮できる一代イベントである点でその存在意義が似ている気がします。
また、メタラーあるあるだと思いますが、メタルのフェスに行くと、他の人が、どんなバンドのTシャツを着ているかが凄く気になります。そして、バンドTシャツの隠れたのマウンティング合戦(「俺はこんなバンドのこんなレアなTシャツを着ているぜ。すごいだろ」があります。オタクの世界にも、痛Tというものがあり、コミケにおいても、どれだけ痛いTシャツを着ているか競い合っているように思えるほど、強烈な痛Tを着ている方も多く、このような点でも似ている気がします。
ちなみに、昨日のコミケでも私以外でメタルTを着ている人がいて、うれしかったです(一人目は、Iron Maiden、二人目は、Sabaton、3人目は、何とBrutal Truth笑)。